2010/07/09

マレーシア Strategic Trade Bill 2010の概要

今年4月に発表されたマレーシアの輸出管理法、Strategic Trade Bill 2010 ("STB")の概要が判明しました。

  • リスト規制: EUのリストを採用予定
  • キャッチオール規制: リスト規制品以外の品目で導入する
  • 幅広い規制のスコープ: 通過、積み替え、仲介行為も適用対象
  • 違反への厳しいペナルティ: 最大死刑
  • 導入時期: 2010年12月の予定

マレーシアにて輸出オペレーションを行っている企業は、今年12月から対応できるよう準備が必要となるでしょう。

まだ適用除外の運用、公的な該非判定のサポート、trade facilitation などの詳細が明らかではありませんが、上記を見る限りシンガポールが2008年1月から導入したレベルを目指しているような印象を受けます。

2010/07/08

CEPT フォーム D を2010年7月1日よりATIGA フォーム Dに切替

2010年5月17日よりASEAN物品貿易協定 (ATIGA)がAFTAを継承し有効になったため、10ヶ国のASEAN諸国ではAFTA/ATIGAの特恵関税を利用する際にはCEPTのフォームDの代わりに新しい原産地証明書 (ATIGAのフォームD) を使用しなければなりません。 よってタイ国と他のASEAN諸国では、2010年7月1日をもって新しいATIGAのフォームD を発行・承認することに合意しましたが、便宜措置として輸出入者は2010年11月6日まではCEPTのフォームDを使用することもできます。

実際、外国貿易局ではCEPTフォームDをATIGAフォームDに切り替え発行する準備はすでに出来ています。しかしASEAN諸国の一部ではこの新システムに対応するには依然として準備の時間が必要な国もあり、外国貿易局は新しいATIGAフォームDの発行開始日を2010年7月1日としました。新しいATIGAフォームDはCEPTのフォームDと僅かに異なる部分もあります。例えば、外国貿易局は偽造防止のためATIGAフォームDでの「すかし模様」を変更しました。しかし両方のフォームを記入する際に必要とされる情報は全く同じです。さらに、輸入者はアセアン産業協力スキーム (AICO: ASEAN Industrial Cooperation Scheme) での特恵関税率を利用する際にはATIGAフォームDを使用することができません。これはAICOスキームは1996年にアセアン各国により署名されたAICOスキーム基本協定に基づいているためです。この協定ではAICOの特恵はCEPTの原産地証明書(フォームD)上にAICOの印がある場合にのみ適用されます。ということで、アセアン各国にとってはATIGAフォームD を利用する製品にAICO 特恵を適用する法的根拠が現在まだないことになります。ASEAN諸国は、この問題を修正するために、ATIGAフォームDによりAICO 特恵を利用できるよう、現在AICO基本協定第2次プロトコルを草案中です。

2010年7月1日から輸出企業は外国貿易局にATIGAフォームDをリクエストすることができますが、一方、実際には輸入者側では、その日よりATIGA特恵を利用することはまだできません。税関機関がATIGA下での関税免除・削減に関する通達をまだ発行していないからであり、これはこの通達の根本部分を成す2009年品目別規則(PSR)が未だにタイ憲法2007の第190条により議会で承認されていないからです。したがって、この税関通達が発行されるまでは新しいATIGAフォームDによりATIGA特恵税率の適用はできないことになっています。

この件について税関機関は2010年4月30日にお知らせを出し、当面この間ATIGAフォームDを利用してATIGA特恵適用を希望する輸入者は、通常の税率でまずは関税を支払い、輸入申告の”Remark”欄に“ATIGAの特恵利用権利を保有する”旨を記入し、関連通達が発行された後に支払った関税分を返金リクエストするように案内をしています。また、税関機関はこの通達は2010年7月か8月には発行することができると表明しています。それまでは輸入者は関税減免の特恵を利用する際は、CEPTフォームDを使用するか、又はATIGAフォームDを使用して後日に関税返還権を行使するかのどちらかを選ぶこととなります。

(Source: http://www.bryancavetrade.com/  Asia Trade Alert as of June 28, 2010)

2010/07/07

AEOの相互承認

財務省関税局は先月24日、25日に相次いでAEOのEU とカナダとの相互承認を発表しました。
概要は財務省のホームページに載っています。

今日、カナダ側の日本とのAEO相互承認の発表プレスリリースを見ました。
実はカナダは同時に、日本だけでなく、シンガポールと韓国ともAEO相互承認を発表しています。

http://www.cbsa-asfc.gc.ca/media/release-communique/2010/2010-06-25-eng.html

日本側の日本語の発表だけではこれはわかりません。
AEO相互承認も将来はFTAのように網の目のように入り組んでくるかもしれません。

2010/06/30

ATAカルネの運用変更

商品見本や展示会用の物品を海外に持ち出して、日本へ持ち帰る際にはATAカルネを利用されていらっしゃる方は多いかと思います。
筆者も昔はよく利用する機会ありましたし、日本商事仲裁協会への申請業務も行っていました。

このカルネは一言で言えば、「一時輸入用インボイスの回数券」です。
外国で一時輸入の際にかかる関税などの税金を払わずに、持ち帰りを前提にしたものです。

これが今後は外国での販売、つまり外国で消費する、ことが可能となりました。
もちろんその分の現地でかかる税金は支払う必要がありますが、その納税証明書を後でカルネと共に日本商事仲裁協会に返還すればOKとのこと。
やはり、現地で実際に商談した際に、その場で買いたい、売ってくれという話になることは多いです。
弾力的な運用になったということですね。

参照: http://www.jcaa.or.jp/carnet-j/about.html

2010/06/28

世界のAEOの比較情報

6月24日と25日付けで立て続けにEUとカナダとのAEO相互承認がそれぞれ発表されました。
このニュース自体は財務省や税関のホームページを見ると載っているので、多くの方がすでにご存知だと思います。

海外の友人とこの件について情報交換をしていたら、とても良いweb siteを教えてくれました。
世界のAEO情報が比較チャート形式で載っている約40ページのpdf です。 内容はWCOによって書かれたもので、web site はフィンランドの税関になります。
http://www.tulli.fi/fi/yrityksille/asiakkaana_tullissa/AEO/kiinnostuitko/WCO_kooste.pdf

日本のAEO情報は税関が積極的に発信しているので簡単に情報収集できますが、世界各国のAEO情報が比較一覧形式になっているこの資料はなかなか貴重です。

2010/06/25

米国EAR 暗号規制の変更

米国EARの暗号規制が緩和され変更が予定されています。
http://www.federalregister.gov/OFRUpload/OFRData/2010-15072_PI.pdf

おそらく、まもなく発行されるFederal Registerに載ると思われます。
まだよく読んでいないのですが、主な変更内容は以下のようです。
  • ENCの運用の変更(緩和ですね)、例: 30 days rule の変更
  • Category 5 part 2 (5A002 や 5D002 など)に“ancillary cryptography”の除外規定の導入

“ancillary cryptography”は大きな影響があるでしょう。Wassenaar dual-use list の2009年12月の合意内容ですが、米国はまだEARに反映していませんでした。(日本は2010年4月に反映スミ)

(追記)

6月25日付けでBISよりプレスリリースで本件発表がありました。また、EARのCategory 5 - part 2も 6/25付けで中身がすでに変更になっています。

Summary: http://www.bis.doc.gov/news/2010/encryption_rule_summary.pdf

2010/06/21

FCPAの執行増加に注意

FCPA (The Foreign Corrupt Practices Act - 連邦海外腐敗行為防止法) の執行が近年目に見えて増加しています。

2004年からの統計によれば、法務省のFraud Section は37件の違反執行により、合計で15億ドル以上の罰金を科しています。
さらに注目すべきは2004年からの個人の違反執行件数は81人ですが、そのうちの46人は2009年と2010年前半のみで挙げられています。この期間の違反執行の半分以上がここ1-2年ということです。

FCPAが適用される範囲は極めて広く、米国系外資系企業で働く日本人はもちろん、日本企業でも米国でADR(米国預託証券)を発行していれば、例えば米国外のオペレーションでの不正でもFCPAの対象になります。また、海外企業が送金や支払いに米国系金融機関を使用した場合でも適用されます。

法務省では、社内でのコンプライアンスプログラムの実質的な運用と、違反を社内で発見した場合は速やかにVoluntary Disclosure をすることを指導しています。

おそらく米国系外資系企業で働く人間は、入社時の誓約書でもあれば、そこにFCPAを遵守することに同意する、といった文言があると思います。あらためて見直してみて認識を新たにするのも良いでしょう。