2010/07/08

CEPT フォーム D を2010年7月1日よりATIGA フォーム Dに切替

2010年5月17日よりASEAN物品貿易協定 (ATIGA)がAFTAを継承し有効になったため、10ヶ国のASEAN諸国ではAFTA/ATIGAの特恵関税を利用する際にはCEPTのフォームDの代わりに新しい原産地証明書 (ATIGAのフォームD) を使用しなければなりません。 よってタイ国と他のASEAN諸国では、2010年7月1日をもって新しいATIGAのフォームD を発行・承認することに合意しましたが、便宜措置として輸出入者は2010年11月6日まではCEPTのフォームDを使用することもできます。

実際、外国貿易局ではCEPTフォームDをATIGAフォームDに切り替え発行する準備はすでに出来ています。しかしASEAN諸国の一部ではこの新システムに対応するには依然として準備の時間が必要な国もあり、外国貿易局は新しいATIGAフォームDの発行開始日を2010年7月1日としました。新しいATIGAフォームDはCEPTのフォームDと僅かに異なる部分もあります。例えば、外国貿易局は偽造防止のためATIGAフォームDでの「すかし模様」を変更しました。しかし両方のフォームを記入する際に必要とされる情報は全く同じです。さらに、輸入者はアセアン産業協力スキーム (AICO: ASEAN Industrial Cooperation Scheme) での特恵関税率を利用する際にはATIGAフォームDを使用することができません。これはAICOスキームは1996年にアセアン各国により署名されたAICOスキーム基本協定に基づいているためです。この協定ではAICOの特恵はCEPTの原産地証明書(フォームD)上にAICOの印がある場合にのみ適用されます。ということで、アセアン各国にとってはATIGAフォームD を利用する製品にAICO 特恵を適用する法的根拠が現在まだないことになります。ASEAN諸国は、この問題を修正するために、ATIGAフォームDによりAICO 特恵を利用できるよう、現在AICO基本協定第2次プロトコルを草案中です。

2010年7月1日から輸出企業は外国貿易局にATIGAフォームDをリクエストすることができますが、一方、実際には輸入者側では、その日よりATIGA特恵を利用することはまだできません。税関機関がATIGA下での関税免除・削減に関する通達をまだ発行していないからであり、これはこの通達の根本部分を成す2009年品目別規則(PSR)が未だにタイ憲法2007の第190条により議会で承認されていないからです。したがって、この税関通達が発行されるまでは新しいATIGAフォームDによりATIGA特恵税率の適用はできないことになっています。

この件について税関機関は2010年4月30日にお知らせを出し、当面この間ATIGAフォームDを利用してATIGA特恵適用を希望する輸入者は、通常の税率でまずは関税を支払い、輸入申告の”Remark”欄に“ATIGAの特恵利用権利を保有する”旨を記入し、関連通達が発行された後に支払った関税分を返金リクエストするように案内をしています。また、税関機関はこの通達は2010年7月か8月には発行することができると表明しています。それまでは輸入者は関税減免の特恵を利用する際は、CEPTフォームDを使用するか、又はATIGAフォームDを使用して後日に関税返還権を行使するかのどちらかを選ぶこととなります。

(Source: http://www.bryancavetrade.com/  Asia Trade Alert as of June 28, 2010)

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