2012/01/10

米国のTPP戦略

TPPでの米国の真意が見え隠れする示唆に富む記事

http://www.bilaterals.org/spip.php?article20840

インドネシア、AANZFTAようやく開始

AANZFTA (Asean Australia New Zealand FTA) の中で唯一未発効だったインドネシアがようやく1月10日にAANZ開始予定だそうだ。

http://www.bilaterals.org/spip.php?article20865

上記のメディアの記事では署名 (sign) になってるけど、確か昨年10月にインドネシア国内で法令が整備されて、2012年1月10日は実施・発効 (enter into force) じゃなかったかな?
http://www.bryancaveconsulting.com/sitebranches/publications/docs/BCIC_Asia%20Trade%20Bulletin_Nov-Dec%202011.pdf

2012/01/05

他法令データーベース

まだベーター版だが日本関税協会のウエッブサイトに「他法令データーベース」というのがある。HSコードに関連する他法令を紐つけしており、どんな他法令が関連するのかHSコードからチェックできるというもの。貿易の実際のオペレーションでは苦労するのは他法令で、税関のウエッブサイトなどにも他法令は他省庁管轄なのであまり詳しく触れられていない。なかなかのスグレものだ。

http://www.kanzei.or.jp/tahourei/hs

ただし注意しなければいけないのは、輸入の観点からだけのようだ。例えば輸出貿易管理令は他法令の中に入っていなかった。コンピューターや軸受け、光ファイバーなどのHSコードから検索してみても何も出てこない。

2012/01/04

スナップ・バック条項とは?

1月4日付けの日本経済新聞朝刊にTPPに関する記事が載っています。
これは米国のUSTR元代表にインタビューをしたもので、要旨としては、

「国内で必要な改革を断行できない国を入れても交渉全体を遅らせるだけというのが米政府と議会、他のメンバー諸国の共通認識。」
「日本は長年の懸念である農業や自動車、牛肉、非関税障壁、日本郵政の保健分野などをめぐり顕著な譲歩を示す必要がある。」
「自動車で日本への市場アクセスの問題が改善されない場合に、スナップ・バック条項を設ける可能性はある。」

さて、スナップ・バック条項とは? 世界のFTAやTPPについて学ぶ際に知っておいたほうが良い項目でしょう。これは韓米FTAで導入された自動車関連紛争で特別に認められた救済措置で、簡単に言うと以下のようなものです。

スナップ・バック条項
「韓米FTAでは、締約国の措置がFTAの規定に違反または無効化侵害しており、それにより貿易が実質的な影響を受けているとされた場合、相手国は最恵国待遇税率を超えない水準まで自動車の関税を引き上げることができるとする措置を導入した。」

ちなみに韓国はEUとのFTAではこのスナップ・バック条項は盛り込んでいません。

2011/05/19

リスクマネージメントのセンス

5月19日の日本経済新聞朝刊の記事の中に、日本企業の経営に関連して以下のような内容の記述がありました。

「現場の危機対応力は日本企業は群を抜いて優れているが、将来の危機を予測して周到に備える姿勢は弱い。」
「日本企業は対応可能な危機しか起こらないと考えたがる。」

ようはリスクマネージメントのセンスがいまひとつ、かつ戦略的に物事を考えて経営に反映していく力が弱い、ということだと思いました。

安全保障輸出管理のICP(社内コンプライアンスプログラム)も、物流管理の観点からだけでなく、全社的なリスク管理マネージメントの文脈で語られることが多くなりました。
例えば非該当の製品が大半で、輸出令別表一リスト規制品の輸出許可を取得して輸出するケースは年間数えるほどしかない企業が、ICPを作り社内で運用し、METIに届出して一般包括を取得するのはどうなのでしょうか?

近視眼的にメリット・デメリットだけ言えば、毎年7月のチェックリスト提出や、ICPに伴う社内監査、METIへのExposure が増すなど、かえって面倒なことの方が多いという考え方もあるかもしれません。
しかし今回の震災のように想定外のリスクが振りかかってきた場合はどうでしょう?
普段から何がしかのリスクマネージメントを行ってきた企業と、目先の手間とメリットだけで判断して何も行ってこなかった企業との対応力の差は大きなものがあるのではないかと思いました。

個人的には、古い話で恐縮ですが、2000年のY2K問題で米国本社から言われて万が一のための Contingency Plan を作らされた経験がありました。言われてしょうがなくやったという感じですが、万が一電気がストップしたらとか倉庫のオペレーションがストップしたらとか、いうシナリオでした。今年の3月11日の震災の際にはまさにそういったことが現実に起きたわけで、そのときの経験が実は役に立ったと思っています。(そのときもっと真剣に関わっていればよかった。。。)

2011/05/11

Greenfield study?

英語を日本語に翻訳していて、どう意訳したら一般の人にわかりやすくなるかなと思案することがあります。
Greedfield study っていう言葉にぶつかりました。
グリーンフィールド研究って、カタカナにしたところで一般の人には殆どわからないでしょう。
最初は環境に関することかな?って思いました。
ところがこれは投資がらみの文脈で以下のような意味になります。

■グリーンフィールドとは

グリーンフィールド投資とは、外国に投資をする際に法人を新しく設立して、設備や従業員の確保、チャネルの構築や顧客の確保を一から行う投資の方式のことです。グリーンフィールド投資は、文字どおり、何もない野原に買い取って、位置から建物を作り上げていくような投資になります。

なので、新規法人設立の研究、っていう訳にしときました。環境問題の研究なんて訳したらえらい恥をかくところでした。

2011/04/25

輸出管理保冷の英文訳

以前に筆者はブログか何かで、輸出管理法令の英文訳は、法律と令しか存在しない、つまり外為法と輸出貿易管理令、外国為替令、しかない、ということを書いた覚えがあります。
なので輸出管理実務に実際に必要な省令や通達は英文訳がないので不便だなあ、ということを言いたかった訳です。

ところが省令も以下のものが「日本法令外国語訳データベースシステム」に掲載されていることを最近発見しました。

- "貿易外省令"  つまり貿易関係貿易外取引等に関する省令 (Ministerial Ordinance on Trade Relation Invisible Trade, etc.)
- "貨物等省令"  つまり輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令 (Ordinance of the Ministry Specifying Goods and Technologies Pursuant to Provisions of the Appended Table 1 of the Export Control Order and the Appended Table of the Foreign Exchange Order)
 - 輸出貿易管理規則 (Export Trade Control Ordinance)

ただし注意しなければならないのが、これらは最新の変更を反映していないという点です。
例えば貿易外省令は翻訳日が2009年5月です。ですので外為法の改正で現在は大きく変更になっっている第9条が古いままです。
また、貨物等省令も翻訳日が2009年10月なので、最新のリストの2010年4月のものではありません。また、貨物等省令は1年に1回くらいの頻度で変更になり、近いうちにまた変更になります。

とはいえ、変更がない部分などでは英語標記をチェックする上で大変参考になります。