2010/02/25

H-1Bビザ取得前にDeemed Export License 要に

弊社の会社の同僚のExport Law Blogによれば、BCIS (Bureau of Citizenship and Immigration Services) のアナウンスで、H-1Bビザの申請フォームに変更があり、今後はDeemed Export の技術移転がある場合には前もってBISのライセンス取得が必要になりそうだとのことです。(現在、パブリックコメント中) ビザ申請のスポンサーにとっては面倒ではあります。

これは米国の雇用主が対処する問題ですので日本側での大きな手間ではないでしょうが、ビザの申請とBISのライセンス申請を同時進行ではできないことを意味します。以前は実際に技術が移転される前にライセンスを取得すればよかったので、事前にわかっている場合はビザ前に取れよ、ということでしょう。もちろん規制技術のDeemed Export がない、というところをチェックして、技術移転がないということでビザ申請を進めることはできそうです。

ただし、申請フォームではEARのライセンスのみで、DDTCのUSMLでのDeemed Export には何も触れられておりません。これってちょっとバランスを欠いているような気もします。

ひるがえって日本の場合は、日本へのビザで外国人の企業人員・研究員・留学生などのビザと、外為法の技術移転ライセンスでは特に何もつながりはないようです。少しはビザ申請の際に、外為法の技術移転の内容もrefer するくらいのことがあれば、輸出管理の認知度は高まるかもしれませんね。

2010/02/23

シンガポールでTier 3ライセンス取得に成功!

シンガポールでも輸出許可の包括ライセンス制度があります。この度、筆者がアドバイザーとなっているシンガポールのある企業がめでたくTier 3ライセンスをシンガポール税関から認可されました。
シンガポールのライセンスはTier 1 が個別の輸出許可、Tier 2とTier 3がいわゆる包括許可でTier 3が複数品目を複数の登録国向けに使用できる、いわば一番難易度が高い包括ライセンスです。

Tier 3の取得にはICPの保持が必須要件です。このため去年の7月頃からICPの作成、メンバーへのトレーニング、該非判定・エンドユーザースクリーニングのプロセス作り、などなど行ってきてようやくここまでこぎつけました。とても簡単には説明できない色々な質問・レビューがありました。一冊本が書けそうです。(もっとも筆者は日本から出張やメールベースでのアドバイスにとどまり、やはり一番の功労者は現地の私の同僚のマネージャーです。)

Tier 3ライセンスは有効期間3年で、申請から許可まで30 working days とシンガポール税関のWeb site にありますが、実際には1週間でおりました。ただしそれは6ヵ月間だけ有効なApproval-In-principle ライセンスだそうです。もちろんすぐに輸出に使用可能ですが、その6ヵ月の間に税関の実地監査が入るのでしょう。このへんは税関のWeb site に書いてある情報と違って実際やってみないとわからないところです。もちろんいきなり申請したわけではなく、準備段階からシンガポール税関と相談しながらやっていたわけで、それで申請から1週間で認可されることとなりました。

シンガポールはワッセナーのDual-use itemの実質的な輸出管理導入は2008年1月からと、この分野では歴史のある日本に比べると現場レベルの経験やノウハウはまだまだ不足しているという印象です。しかし私自身もよい勉強になりました。

2010/02/22

米国新許可例外 GOV

米国BISのホームページに2月9日付けで新しい許可例外についての案内が載りました。
http://www.bis.doc.gov/news/2010/fr_02092010.pdf

ざっくりと読んでみましたが、あまり一般的に使えそうな許可例外ではありません。
詳しく読んでいないのですが、一読して理解したところでは、 (もし間違っていたらゴメンなさい)

9A004の品目のみに適用され、国際宇宙ステーション向けに、商務省の正規の許可が間に合わないようなケースで(打ち上げ前45日と規定)NASAやそのサプライヤー企業が輸出・再輸出する時に使えるそうです。対象国は国際宇宙ステーションの打ち上げロケットを発射する、フランス・日本・カザフスタン・ロシアのみです。

9A004とは日本語で言えば、人工衛星その他の宇宙開発用の飛しょう体で、輸出貿易管理令別表1の13項(2)、貨物等省令第12条第4号に該当するものです。しかも部分品や附属品にはこの許可例外は使えないそうです。つまり9A004の本体のみ。

といったケースですので、使用する会社は極めてまれでしょう。でも輸出ライセンスが間に合わずに発射が延期なんてシャレになりませんからね。こんなマイナーなケースのために新しい許可例外を作る背景として何か過去に9A004の輸出ライセンスで大きなトラブルでもあったのでしょうか?

米国のEARでは許可例外が本当にたくさんあります。日本の輸出規制も許可例外は多い方です。
輸出規制規制品目自体は国によって大きな違いはありませんが、許可例外は国によって大きく異なります。
一方、アジアの他の国でワッセナーに準じて輸出管理を行っている国もシンガポール、香港などありますが、比較的許可例外は少ないです。ここで困ってくるのが許可例外が少ない国でのライセンス運用です。
シンガポール税関の人が注意を促していたケースとして、日本からシンガポールへの輸出品で、該当品を100万円の小額特例を利用してシンガポールへ輸出し、そこから第3国へ再輸出する場合に、日本でライセンスと取らないで輸出したのだから、シンガポールでも輸出ライセンスなしで良いだろう、という解釈で違反が起こっているとのことです。単なるコミュニケーション不足か法令の理解不足とも言えますが、シンガポール税関がセミナーで公に言及していましたので、稀な事例ではないのかもしれません。特に米国の許可例外のENCとかGBSはかなり多く使用されていますので、でも受け取る側に同様な許可例外がないと、再輸出の場合は輸出ライセンス要となります。受け取る側が再輸出する場合、許可例外を使用して入ってきたものは、ちょっと紛らわしいです。

2010/02/20

HSコードのトリビア

日本の関税率表は、HS条約と呼ばれる国際的取り決めに基づいています。
このHS条約は、1988年1月から発効しており、現在は日本をはじめおよそ136カ国・地域が加盟しています。HS条約の附属書は通称「HS品目表」と呼ばれており、あらゆる商品を組織的・体系的に分類するための品目表です。日本の関税率表は、当然、HS品目表に準拠しています。

上の6桁は世界共通で、それ以降は各国によって異なります。日本の場合、下の3桁を統計品目表の細分番号として使用しています。
(例: 2402.20.000 紙巻たばこ(たばこを含有するものに限る。)

ここまではトレードコンプライアンスをかじっている人間なら誰でも知っていることです。
最近、たまたま仕事上の関連で知りえたHSコードのトリビアを披露します。

1) 日本にないHSコード
HS条約の付属書にありながら日本の関税率表にない品目があります。
それはHSコード2716の電気エネルギーです。税関の関税率表を見ても2715まではあるのですが、2716は確かに存在しません。日本は海に囲まれた島国ですので電力の輸入がありません。
ただし大陸の国々ではありえます。なので他の国の関税率表を見ると2716は多くの国で存在します。
たとえばこんな具合です。

Singapore: 2716.00.00 - Electrical energy MFN Free
USA: 2716.00.00.00 - Electrical energy MFN Free
India: 2716.00.00 - Electrical energy MFN Free

ちなみに日本と同じような環境で他国から電力を輸入しそうにない国ではどうでしょう?
調べてみたところ、オーストラリアやニュージーランドではデーターベースに存在しませんでした。
やはり日本と同様、関税率表に存在しないのかもしれません。(FedEx World Tariff による)

2) HSコード6桁以降の分類がメーカーのブランド別 !
HSコードの上6桁は世界の大半の国で統一されており、それ以降の桁は各国独自の番号であることは述べたとおりです。普通、この下の桁の決め方は客観的な製品の特徴や技術的スペックなどで決められていることが多いです。日本の関税率表を見ても、なんだかよくわからないおもしろくない表現です。
たまたま世界各国のFTAを調べていて見つけたのですが、グルジアのタバコ(HS code 2402) は、これをメーカーのブランド別に分けています。
こんな具合です。

2402.20.900.01 - - - Marlboro 12%
2402.20.900.02 - - - Winston 12%
2402.20.900.03 - - - Camel 12%
2402.20.900.04 - - - Parliament 12%
2402.20.900.05 - - - Knet 12%
2402.20.900.06 - - - L and M 12%
2402.20.900.07 - - - Virginia Slims 12%
2402.20.900.08 - - - Davidoff 12%
2402.20.900.09 - - - Lucky Strike 12%
2402.20.900.10 - - - Gauloises 12%
2402.20.900.11 - - - Magna 12%
2402.20.900.12 - - - West 12%
2402.20.900.13 - - - Pall Mall 12%
2402.20.900.99 - - - Other 12%

これは珍しいです。下6桁以降とはいえ、車や電気製品をメーカーのブランド別に関税分類するようなもので、日本ではありえないと思います。これって知っててもなーんの役にも立ちませんが、へえーというトリビア知識になりませんか?

2010/02/17

中国のCCCとは?

昨年の5月頃ですが、中国のCCCの事が盛んにテレビや新聞紙上でも騒がれていました。
今日たまたまですが、久しぶりにこの件について聞かれたのですが、久しぶりなので内容を少し失念しており、なんだっけなーとあたふたしてしまいした。
よい機会なので過去に自分が簡単にまとめたものを、もう一度以下に書きたいと思います。

CCCとは?
中国強制認証制度 (“CCC” - China Compulsory Certification System) は2002年5月1日に導入されました。この制度は製品安全の認証に関する法的な義務であり、人体への健康・安全、生態系や社会への安全を守ることを目的としています。CCC対象製品の目録によると135製品20種のカテゴリーにおよび、IT・エレクトロニクス、家電、自動車、コンピューター、通信機器、医療機器、照明器具、ケーブル・ワイヤーなどが対象です。

CCC関連の法律と製品目録は、中国国家質量監督検験検疫総局 (“AQSIQ”- General Administration of Quality Supervision, Inspection, and Quarantine of the PRC) により公布され、政府から委託された中国国家認証認可監督管理委員会(”CNCA”- Certification and Accreditation Administration of the PRC)により全国のCCC認証許可業務が運用されています。目録に記載された製品は、中国内でのビジネスにおける製品の販売・輸入・使用にCCC認証が必要となります。ただし、販売に使用しない特別なケースなど認証を必要としない除外規定もあります。

CCC目録にある製品の製造者、販売者、輸入者は、CCC認証をCNCAによって決められた認証機関に対して申請が必要となります。認証機関では定められた認証フローに基づいて、製品のカテゴリーによって以下のような審査内容で認証審査を行います。デザイン査定、モデルテスト、製造現場でのサンプル検査、市場での無作為検査、企業の品質保証システム承認、及び承認後の追跡調査などがあります。

認証機関は認証可否の決定と共に認証レターの発行も行います。通常、認証機関は、申請受付後90日以内で申請企業に対して認証可否の通知を行います。発行された認証レターにより、製品が基準を満たしている証明となり、申請者の名称、製品名、型やシリーズ名、製品の製造者や製造場所、認可モデル、認可基準と技術規則、発効日と有効期限、認証発行機関などが記載されます。認証機関はさらに認証された製品と製造者に対して追跡調査も行い、もし製品が認証された基準に達していない場合には、CCC認証の取り消し、一時停止、撤回を行う権利を有します。


CCCの制度拡充とは?
中国政府はCCC認証制度を2009年5月1日より情報セキュリティ製品へも適用を拡大を予定していました。その対象品目の目録は、ファイヤーウオール、VPN、セキュアルーター、OS、アンチスパムメール製品、ネットワークセキュリティシステムなど13品目の情報セキュリティ製品に及んでいます。しかし各国政府や外国IT企業の強い反対から、CCC制度の追加13品目への拡大は1年後の2010年5月に延期され、さらにその対象は政府調達法の範囲に限定するとされました。しかしながら、当初から心配されていた知的所有権や企業機密保護への懸念は依然として残り、認証所得プロセスでは製造現場での検査、政府指定の研究機関でのテスト、中国独自のセキュリティ基準遵守などの規定などの問題は手付かずのままとなっています。


IT企業が抱える懸念とは?
海外企業がこのCCC制度について直面している問題は、認証を所得するのに工場が中国外にある場合は、6ヶ月から1年の期間を要する点です。時間がかかる理由としては、中国は初回の工場検査については、海外での検査機関による相互認証を認めていない点によります。これは外国IT企業にとっては大きく不利な点となります。また、CCC認証のITソフトへの拡充に関しては、対象となる製品の定義が曖昧であり、企業はその対象製品の範囲がどうなるのかに不安を持っています。海外IT企業にはまた、どのような情報開示が求められ、その企業機密が中国当局によるテスト期間にどのようにして保護されるのかも不透明です。中国の政府調達に関るビジネスを行っているIT企業には、自社製品の知的所有権に関する大きなリスク、および中国基準での認証で万一取得が遅れれば、販売活動停止を余儀なくされるリスクにさられてています。

(Sourece: http://www.bryancavetrade.com/sitebranches/publications/alerts.html )

2010/02/16

シンガポールも4月1日から輸出管理リストを改正

シンガポール税関が輸出規制リストの改正を4月1日に行うと発表しました。

http://www.customs.gov.sg/stgc/leftNav/str/Updates.htm

これは日本と同じく、ワッセナーの2008年12月の合意内容を国内規制に反映するものです。
これで昨年12月に反映済みのUS EARや、今月に反映した香港のShcedule 1のリストとも同期がとれて、スッキリします。

2010/02/15

Toiya arrangement とは?

筆者は米国のLaw firm のInternational Trade 部門の中で仕事をしてまして、実は唯一の日本人です。自身の専門はexport control や customs compliance なのですが、日本人だからという理由で日本に関するありとあらゆる専門外のことを「とりあえずヤツに聞いてみよう」ということで海外の同僚から聞かれます。

最近、聞かれて初めて知って勉強になったのは、日本の "Toiya" arrangement というシステムです。
英語で聞かれると最初は何のことかわかりません。

米国人弁護士: 「日本には"toiya" arrangementってあるらしいが、お前は詳しいか? セールスエージェントかディストリビューターみたいなものらしいけど。」
私: 「toiya?? 知らない。Tonya でしょ? それならdistributor のことだよ。発音間違いじゃないの?」

こんなやり取りをしたのですが、実はよく調べると「といや」と「とんや」は漢字で書くと同じ「問屋」ですが、実は法的には違ったことを指しています。

一般的に「とんや」は誰でも知っている卸売り業者のことです。しかし、「といや」は Wikipedia によると;

問屋(といや) - 取次営業としておこなう商人のひとつ。
商法で、自己の名をもって他人のために物品の販売又は買い入れをすることを業とする者と定義されており(商法第551条)、問屋の行う売買は他人の計算においてなされる。つまり、問屋は自己の名義で取引を行い取引の相手方に対する権利義務の主体となるが、その取引による損益は委託者に帰属する。問屋の収入は、取次の引受けに対して委託者が支払う手数料である。一般的意味における問屋(とんや=卸売業)は自己の計算で商品を買い入れ、販売しているので、法律上の問屋ではない。
問屋営業の典型例として、証券会社における証券の売買仲介(ブローカレッジ)があげられる。

また、商法でも「といや」はきちんと定義されており、商法551条から558条までが、「といや」営業に該当します。

ということで、私自身が商法を知らないとんだ間抜け野郎だということでした。
日々勉強です。。。

FTA原産地規則無料セミナー開催

JETRO様のシンガポール支店主催により、今年度、「FTA/EPA基礎講座」と題し、過去3回、「FTAの基本」、「原産地規則」、「アセアン・インドFTA」を取り上げ、シンガポールにてセミナーを開催してこられました。3月2日に本シリーズ最終回のセミナーがあり、そのテーマは、「“アセアン+1”FTAと原産地規則」です。

この3月2日のセミナーの講師は私の会社のシンガポールの同僚である、ステファニー・ウオン (Stephanie Wong) が努めます。彼女は元シンガポールのMTIでFTAの政府間交渉に携わってきた、いわば「FTAのプロ中のプロ」です。今回はアセアン関連の原産地規則に関するプレゼンとのこと。
参加は無料ですし、アセアンのFTAのご関心のある方はぜひ参加をお奨めします。

日時: 2010年3月2日(火) 09:00〜12:00
場所: シンガポール  ランデブーホテル(Rendezvous Hotel)Straits Ballroom(2F)
議題: 【ジェトロ】アセアン+1”FTAと原産地規則解説セミナー「自由貿易協定(FTA)/経済連携協定(EPA)基礎講座(最終回)」
申込み: https://www.jetro.go.jp/form/fm/spr/epa100302
詳細: http://www.asiax.biz/event/2010/02/100211.html

2010/02/12

暗号製品の輸入にライセンス必要??

ずいぶん前のことですが、私のボスである米国人Trade Lawyer と輸出管理について雑談をしていたときに変なことを聞かれました。

ボス: 「ところで日本に暗号製品を輸入するときは輸入ライセンス必要なんだよね?」
私:  「えっ、そんなことないと思うけど。日本では輸入貿易管理令で確かに輸入でライセンスが必要なものを確かHS code でリストしていて。でも、その中に暗号製品はなかったと思うな。」
ボス: 「ああ、そうだっけ。でも確かにどこかで聞いた覚えがあるんだけどな。。。」

暫くしてから別のシンガポールの友人から似たようなことを聞かれました。日本にワッセナーのDual-Useの戦略物資を輸入するときにライセンスが必要なのか?と。

彼らが理解していたのは、実は香港の輸出管理規制でした。香港ではワッセナーのdual-use 該当品は輸出だけでなく、輸入にもライセンスが必要になります。
米国人のボスは、日本と香港を混同していたのですね。別のシンガポールの友人は、日本にも香港と同様なシステムがあるのかどうか聞きたかったわけです。

特に香港では、暗号製品 (Categroy 5 - part 2) については、Schedule 2 にも記載があって、積替えのときでも輸入・輸出のライセンスが適用除外になりません。これは核関連品とか化学兵器とかと同様な厳しい扱いです。もちろん個人利用とかマスマーケットとか許可不要要件はあるのですが、香港の暗号製品規制の厳しさは輸出管理に携わる人たちに強い印象を持たれているようです。

2010/02/04

ITARから手を引けば罪を軽くしてやる

2月3日付けの米国国務省のプレスリリースで、ドイツ企業のInterturbine Aviation Logistics Gmbhと、そのテキサス支店が、ITARの違反で総額100万ドルの民事ペナルティを払う、というニュースがありました。

米国では輸出関連の違反のニュースはとても多いのでそれ自体は珍しくないのですが、このニュースで目を引いたのは、
US$400,000 will be suspended on the condition that Interturbine maintains its self-initiated exclusion from all ITAR regulated activities というくだりです。

つまりITAR関連のビジネスから自分から進んでやめれば民事ペナルティのうちの40万ドル分は猶予してやる、ということです。
Voluntary self-disclosure で罰金が軽くなるとか、外部コンサルタントを雇って監査を実施する条件を付するとかいうパターンはよく聞きますが、今回のこのパターンはあまり目にしません。珍しいので読んで記憶に残りました。会社の米国人の同僚は自身のブログでこの件を、「被告が自殺したので検察が死刑求刑をやめたようなもの」と言っていますが、まさに言いえて妙です。

Resource: http://www.state.gov/r/pa/prs/ps/2010/01/136451.htm

2010/02/02

日本のリスト改正再び

1月28日付けのMETI web site で、輸出管理の別表一のリストの改正がパブリックコメントに出されていました。つい昨年の12月にもワッセナーの2008に準拠したリスト改正が出されて今年の4月から施行ですので、またか!という印象です。

内容を見て驚いたのは、コンピューターではワッセナー2009年12月の合意内容がもうすでに反映されていたことです。APPが0.75WTから1.5WTに (4A003.b)  また、データー転送装置のスペックでは転送速度が1.25Gbyte/s から2.0Gbyte/s に (4A003.g) それぞれ緩和されていました。

普通、ワッセナーのリスト反映は1年くらい間をおいてから国内法に反映されるのですが、今回は早くて驚きです。とはいっても全てが反映されているわけでもないらしく、例えばワッセナーカテゴリー5 - part 2の暗号では、Exemption note 4 (副次暗号)に相当するものは見当たりませんでした。

ざっとしか目を通していないので内容に間違いがあるかもしれませんし、全容は見えていないですが、今後のなりゆきを注視したいです。