2010/02/17

中国のCCCとは?

昨年の5月頃ですが、中国のCCCの事が盛んにテレビや新聞紙上でも騒がれていました。
今日たまたまですが、久しぶりにこの件について聞かれたのですが、久しぶりなので内容を少し失念しており、なんだっけなーとあたふたしてしまいした。
よい機会なので過去に自分が簡単にまとめたものを、もう一度以下に書きたいと思います。

CCCとは?
中国強制認証制度 (“CCC” - China Compulsory Certification System) は2002年5月1日に導入されました。この制度は製品安全の認証に関する法的な義務であり、人体への健康・安全、生態系や社会への安全を守ることを目的としています。CCC対象製品の目録によると135製品20種のカテゴリーにおよび、IT・エレクトロニクス、家電、自動車、コンピューター、通信機器、医療機器、照明器具、ケーブル・ワイヤーなどが対象です。

CCC関連の法律と製品目録は、中国国家質量監督検験検疫総局 (“AQSIQ”- General Administration of Quality Supervision, Inspection, and Quarantine of the PRC) により公布され、政府から委託された中国国家認証認可監督管理委員会(”CNCA”- Certification and Accreditation Administration of the PRC)により全国のCCC認証許可業務が運用されています。目録に記載された製品は、中国内でのビジネスにおける製品の販売・輸入・使用にCCC認証が必要となります。ただし、販売に使用しない特別なケースなど認証を必要としない除外規定もあります。

CCC目録にある製品の製造者、販売者、輸入者は、CCC認証をCNCAによって決められた認証機関に対して申請が必要となります。認証機関では定められた認証フローに基づいて、製品のカテゴリーによって以下のような審査内容で認証審査を行います。デザイン査定、モデルテスト、製造現場でのサンプル検査、市場での無作為検査、企業の品質保証システム承認、及び承認後の追跡調査などがあります。

認証機関は認証可否の決定と共に認証レターの発行も行います。通常、認証機関は、申請受付後90日以内で申請企業に対して認証可否の通知を行います。発行された認証レターにより、製品が基準を満たしている証明となり、申請者の名称、製品名、型やシリーズ名、製品の製造者や製造場所、認可モデル、認可基準と技術規則、発効日と有効期限、認証発行機関などが記載されます。認証機関はさらに認証された製品と製造者に対して追跡調査も行い、もし製品が認証された基準に達していない場合には、CCC認証の取り消し、一時停止、撤回を行う権利を有します。


CCCの制度拡充とは?
中国政府はCCC認証制度を2009年5月1日より情報セキュリティ製品へも適用を拡大を予定していました。その対象品目の目録は、ファイヤーウオール、VPN、セキュアルーター、OS、アンチスパムメール製品、ネットワークセキュリティシステムなど13品目の情報セキュリティ製品に及んでいます。しかし各国政府や外国IT企業の強い反対から、CCC制度の追加13品目への拡大は1年後の2010年5月に延期され、さらにその対象は政府調達法の範囲に限定するとされました。しかしながら、当初から心配されていた知的所有権や企業機密保護への懸念は依然として残り、認証所得プロセスでは製造現場での検査、政府指定の研究機関でのテスト、中国独自のセキュリティ基準遵守などの規定などの問題は手付かずのままとなっています。


IT企業が抱える懸念とは?
海外企業がこのCCC制度について直面している問題は、認証を所得するのに工場が中国外にある場合は、6ヶ月から1年の期間を要する点です。時間がかかる理由としては、中国は初回の工場検査については、海外での検査機関による相互認証を認めていない点によります。これは外国IT企業にとっては大きく不利な点となります。また、CCC認証のITソフトへの拡充に関しては、対象となる製品の定義が曖昧であり、企業はその対象製品の範囲がどうなるのかに不安を持っています。海外IT企業にはまた、どのような情報開示が求められ、その企業機密が中国当局によるテスト期間にどのようにして保護されるのかも不透明です。中国の政府調達に関るビジネスを行っているIT企業には、自社製品の知的所有権に関する大きなリスク、および中国基準での認証で万一取得が遅れれば、販売活動停止を余儀なくされるリスクにさられてています。

(Sourece: http://www.bryancavetrade.com/sitebranches/publications/alerts.html )

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