2010/05/25

Unverified Listに載るには?

先月の北京で行われた輸出管理サミットでは興味深いプレゼンテーションが多く聞けました。
その一つをご紹介します。

ある米国大手機械メーカーのトレードコンプライアンスマネージャーのプレゼンで、"U.S. Export License Conditions and Scope Limitations" というのがありました。
ライセンスの許可条件や、そのカバーする範囲など、つまりはライセンスの附帯条件に関して詳細な講義をたっぷりうけました。全ては書ききれませんが、おもしろいと思ったのは、Unverified List についての説明でした。

米国の輸出ライセンス申請に際しては、(これは日本も同様ですが)、附帯条件が付されることがありますし、申請の前で調査しなければならないこと、輸出後の30日以内の報告義務などもあります。
米国大使館にはSpecial Agents overseas - Export control Officers (ECOs)が駐在している都市もあります。北京、香港、アブダビ、ニューデリー、モスクワなどの都市がそうで、ECOは米国の輸出管理のPre-License Check や Post Shipment Verifications なども行います。

具体的には、輸出ライセンスの申請でconsignee として名前があるこの会社は本当に実在する会社なのだろうか、許可に基づいて輸出された特定の製品は申請通りのエンドユーザーの元にちゃんと設置されているのだろうか(移転されていないだろうか)、などを確認調査したりします。

このような確認調査で、事実と異なる様子が発見された場合は、許可条件違反となりますし、ペナルティも1件につき$25万ドルあるいは価額の2倍がしっかりと課されます。

Unverified List はこのような違反で、存在が確認 (Verify) できなかった米国外のentity をリストして、Red Flag つまり「怪しい」出荷先だと、警告を発しているわけです。
http://www.bis.doc.gov/enforcement/unverifiedlist/unverified_parties.html

Unverified List はDenied Persons List やEntity List に比べていまひとつマイナーな(?)存在のリストですが、過去に怪しい前歴があった事実があるentityです。BISのウエッブサイトを読むだけでなく、このように詳しい方からじっくりと説明を聞くとよく理解できますし、やはり要注意リストですね。

しかしライセンスの附帯条件だけの講義で40枚のスライドを準備され、1時間近くお話されました。
全部の内容はブログに書ききれませんが、このプレゼンターの方の知識と経験の豊富さには脱帽でした。

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