2010/03/05

タイのROH

ROHと書くと、貿易に通じている方にはRoHS(ローズ)指令(特定有害物質の使用制限)のことか?とすぐ思われますと思いますが、Regional Operating Headquarters、地域統括本社のことです。

タイや他のアセアン諸国では、ROHの機能を持つ法人に対して税制優遇を適用しています。
海外またはタイ国内の関連会社または支店への経営・技術・サポートサービスを提供する、タイの法律に基づいて設立された法人組織であればROHになります。

ROHには様々な税優遇措置があります。ROHの海外の関連会社や支店から提供された所定のサービスから発生する利益には法人税が30パーセントから10パーセントに軽減され、また外国人駐在員のROHから支払われた収入への個人所得税も軽減され、通常の累進税率ではなく4年間一律15パーセントのフラット税率になったりもします。

日本の法人税の実効税率は40%前後ですし、個人所得税も収入の高い人で税率の高い国の人ならば15%というのは魅力的でしょう。

ROHの根拠法は、7年前に施行され、タイを東南アジアでのROHの設立中心拠点とすべく振興してきましたが、現在タイではROHが数にして100以下しか設立されていません。Asia Pacific の地域本社をどこに置くかを考えたら、税制だけでなく、インフラや人材も大きなポイントですのでシンガポールや香港に比べるとタイは少し厳しいかもしれません。
ですのでタイでのROHの設立をより魅力的なものにするために、タイ政府も色々と次の施策を考えているそうです。

貿易のFTAやEPAに目を移すと、アセアンというくくりでは、日本・中国・韓国とFTAを締結してますし、今年の1月からはインドと豪州・ニュージーランドとも一部発行しました。EUとも交渉中です。
シンガポールとベトナムは個別にEUとFTA交渉を始めました。
いわゆる大手のマーケット地域とFTAを締結し、外国からの投資を呼びかける姿勢も評価できますし、今後ますますタイやアセアンの貿易や投資での重要性は増しそうです。目が離せませんので今後ともウオッチを続けていきます。

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