2010/03/10

ベトナム、関税評価でロイヤルティを含めなくてよい?

あるニュースレターを読んでいて、おもしろい記事を見つけました。
Vietnam: Import duties no longer levied on royalties for the use of brands, patents or know-how?

内容は、ベトナムでは外資からの技術やノウハウの流入を阻害せず助長するために、輸入品の関税評価でロイヤルティや特許権・商標権などを関税の課税価格に含めなくてよい、とする通達を2010年1月に財務省から出されたそうです。

ベトナムは2007年にWTOに加盟してますし、日本と同様に、これらロイヤルティ関連費用は関税の課税価格に含めるべし、とされていました。(Circular 40 / TT-BTC issued on May 22, 2008)
しかしながらこれが通達により (Notice 22 / TB-BTC on Janunary 13, 2010)、例外を認める格好です。

具体的には課税価格に含めなくて良いものは、「海外の事業者に契約により継続的に支払われている商標料や特許料などのノウハウであり、輸入時にその価額を決定できないもの」だそうです。

当然、ベトナムの輸入者で、このようなロイヤルティを海外の事業者に支払ってきて、輸入品の課税価格に算入してきた企業にとっては節税によるコスト削減の機会となります。
ただし、すべての種類のロイヤルティが課税価格に不算入になるわけではないので、個別の適用にあたってはケースバイケースで難しい判断に迫られそうです。ガイドラインはおそらく今後、ベトナム税関から示されることになるはずです。また過去にこのようなロイヤルティを支払った企業への関税還付がなされるかどうかも不透明です。

いずれにしても関わりのある企業にとっては、本件の情報収集とベトナム税関とのコンタクトを密に取ることをお奨めします。

2 件のコメント:

  1. 匿名3/10/2010

    WTO関税評価協定ではロイヤルティは加算の条件に合うときはマンダトリな加算要素で、運賃や保険料などのようにオプショナルな加算要素ではありません。
    ご紹介のあったベトナム税関の取扱は投資環境の面からは輸入者や貿易関係者に有利に働くのかもしれませんが、WTO協定から見れば協定違反であり、このような取扱は公平な国際競争を定めるWTOの趣旨から外れているのではないかと思います。(一読者の見解)

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  2. 建設的なコメントありがとうございます。
    確かにご指摘の通りでWTO加盟国なのにいいんだろうかという懸念があります。
    このトピックの情報元はある大手会計事務所のリポートですが、私もそのレポートを読んで、本当?と驚きましたし、WTOのWeb siteでベトナムが加盟国であることを思わず再確認せずにはいられませんでした。

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