2010/06/16

GEICOのペナルティから学ぶ

GEICO (GEICO General Insurance Company)という米国の保険会社は、日本ではあまり知名度はないかもしれません。ただ、株式投資が趣味の人にはウオーレン・バフェットが投資した会社ということでご存知の方もいらっしゃるでしょう。このGEICOがOFACから違反のペナルティを受けています。
オマハの賢人といわれるバフェットが投資した会社だからといって、優れたコンプライアンスを有しているとは限りません。また保険会社ですので、もちろん物の輸出で違反をしたわけではないのですが、このケースがおもしろいので取り上げます。
http://www.treas.gov/offices/enforcement/ofac/civpen/penalties/06032010.pdf

違反の内容は、SDN List に載っているSpecially Designated Narcotics Trafficker (“SDNTK”)の個人に車の保険証券をOFACのライセンスなしに販売したということです。民事の違反罰金はUS$11,000 です。

教訓となるのは以下の文面です。
GEICO does not screen its existing policyholders database for SDNs as the SDN list is updated but only on an annual basis. GEICO has committed to making improvements to remedy this gap in its OFAC compliance program.

顧客データーベースのスクリーニングの頻度が1年に1回以上はしなかったということでしょうか。
通常、米国のこの種のリストは頻繁に追加・変更などありますので、既存顧客のデーターベースもそれに合わせてチェックするべきでしょう。あまり頻繁な見直しも業務の負担となりますので、バランス感覚が必要でしょうが、私の以前いた会社では半月に1回のスクリーニングとしていました。

ところで、このOFACのSDL Listですが、この中に日本に居住する対象者も多いことをご存知でしょうか?
http://www.treas.gov/offices/enforcement/ofac/sdn/

ダウンロードするとpdfで455ページになりますが、pdf の検索機能で "Japan" で検索すると日本にある会社もたくさん出てきますのでお試し下さい。
キューバ関連の制裁でリストに載ったことろが多いようです。
米国系外資企業の方は国内販売でもご注意あれ。

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