2010/01/22

4月から全輸出者にCPを義務付け???

今日、海外の私の友人からある質問を受けました。それがちょっと日本の輸出管理に関して間違った情報でしたのでコメントしておきました。ある超大手のコンサルティングファームのTrade Bulletin ですが、日本の輸出管理動向に関して以下の文章が書いてありました。

Implementation of internal export control compliance programme (CP) requirement for all exporters

Under existing practice, only exporters who wish to obtain bulk export licenses are required to submit a CP to the Ministry of Economy, Trade and Industry for approval.
However, in the revision of the Japanese Foreign Exchange and Foreign Trade Law (FEFTL), effective from 1 April, 2010, all exporters will be required to implement CP...... (以下省略)

最近の外為法改正をきちんとフォローしていらっしゃる方ならすぐにお分かりかと思いますが、確かに今年の4月1日から、輸出者等遵守基準が、外為法第55条の10に基づいて実施されます。
しかしながらこれは全ての輸出者にCPを義務付けるわけではありません。あくまで守るべき基準を示しただけで、それを守らずに目に余るようなら指導・助言・勧告・命令と進んでいくわけですが、この文書を書いた人は、CPと遵守基準を少し混同しているようです。

また普通に考えればすべての輸出者にCPを義務付けてMETIに届出をさせるなんておかしいと思わなければいけません。外為法の第1条の「目的」である「対外取引の自由、必要最小限の管理又は調整」と齟齬をきたしそうですし、輸出に実質的に政府の認可が必要な発展途上国のような管理貿易になってしまいます。実務的に考えても本当にすべての輸出者にCP届出が必要となると、METIの窓口業務が破綻してしまいそうです。

これを読んだ海外の私の友人は、全輸出者にCPを義務付けなんて本当か? インパクトが大きすぎない?って聞いてきました。きちんと説明しておきましたが、超大手のコンサルなのに日本の輸出管理のニュースに関しては少し内容がお粗末すぎるなあと感じました。
とはいえ、人間誰でも間違いは必ずあります。私自身もセミナーやブログで間違ったことを言うでしょう。反面教師にしたいものです。

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